連合通信記事全文2011/10/06 05:48

隔日版10月1日付の記事全文です。とてもわかりやすくまとめられています。

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街宣活動は労働者の権利だ 
「川口学園事件」で佐藤昭夫氏が講演「争議禁止」決定を批判

 労働組合による街頭宣伝やビラまきなどが裁判所の仮処分決定で禁止されている「川口学園事件」。この問題で、早稲田大学の佐藤昭夫名誉教授(労働法)は9月28日、都内で講演し、同決定について「現実には労働争議が続いており、労働基本権を侵害している」と指摘。そのうえで、「争議で営業権が制限されるのは当然。使用者への圧力は、労働者の権利だ」と語った。
 講演は、「川口学園事件を考える会」が主催した。
 同事件は、学校法人「川口学園」が運営する埼玉女子短大の元教員、衣川清子さん( 53)の解雇事件が発端。既に最高裁で解雇が確定しているため、東京地裁は「団体交渉権がない」として、東京公務公共一般などに団交申し入れや学園周辺での街宣活動・ビラまきの禁止を命じている。
 この判断について佐藤氏は「解雇を裁判で争えないというだけで、現実には争いが続いている。組合が要求をすることは当たり前のことだ」と指摘。紛争解決には交渉が不可欠で、「団交禁止は労働基本権の侵害だ」と批判した。
 街宣活動などが学園側の営業権を侵害しているという点についても、労働関係調整法7条を挙げ、「争議行為とはストなどによって業務の正常な運営を阻害すること。団交を拒否する使用者には圧力が必要であり、それが保障されなければ対等な交渉は成立しない」として、労働基本権を行使する場合、使用者の権利制限は当然だと語った。