連合通信記事全文2011/09/11 06:30

昨日載せた記事の後半を含めた全文です。

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◆110910・街宣活動禁止の命令許さず/川口学園事件で労組が署名開始/「表現の自由・労働三権守ろう」

 埼玉女子短大などを運営する学校法人・川口学園(東京都豊島区)が、組合による街頭宣伝やビラまきなどの差し止めを求め、それを認める仮処分命令が出された問題(本訴に移行中)で、首都圏大学非常勤講師組合は9月3日、表現の自由と労働三権の順守を求める署名活動をスタートさせた。法学者などを中心に署名を集め、組合活動を制限する禁止命令の取り消しをめざす考えだ。

 争議は、同短大の元准教授、衣川清子さんの解雇事件が発端(昨年9月に最高裁で解雇が確定)。

 衣川さんが加入する非常勤講師組合などが昨年5月以降、争議の全面的解決を求めて学園本部前で短時間の街宣活動を計5回行ったところ、営業妨害に当たるとして学園側は活動禁止を求める仮処分を申し立てた。東京地裁は今年末まで学園・短大周辺200メートル以内での活動と団交申し入れを無期限で禁止する仮処分を決定。現在、本訴で是非が争われている。

 大学で憲法学を担当する松村比奈子委員長は「組合活動がまるでストーカー行為のように禁止されている。前代未聞の事態だ」「(戦前の)治安維持命令だ」と危機感を強める。

 衣川さんは「裁判所が会社の言い分だけで宣伝活動を禁止すれば、声を上げる人への弾圧が簡単にできてしまう。これは組合や市民運動全体の問題で、見過ごせない」と訴えた。

<写真>裁判所の禁止命令について「労組がまるでストーカー扱いだ」と憤る松村委員長(写真中央、9月8日、都内)

「連合通信・隔日版」