研究者・教育者の権利および地位の擁護のための決意表明2010/06/06 00:36

2010年5月23日、日本科学者会議東京支部第44回大会で、「研究者・教育者の権利および地位の擁護のための決意表明」アピールが採択されました。

後半部分を示します。

「・・・現在、多くの大学・研究機関で、企業よりの儲け本位の研究テーマの設定、一方的なテーマ変更・中断が研究者の意思を無視して強制されている。とくに中小の学園では、経営の都合や経営者の恣意的人事により、意にそわないものに対する人格攻撃、報復的処分、解雇・雇い止めなどの攻撃がくり返されている。
 このような不合理を是正するために、裁判所において公正な判断を求めることは、法治国家での重要なたたかいでもあるが、最近注目すべきは、裁判所の判決内容が、たとえば埼玉女子短期大学衣川准教授不当解雇や都教育委員会による疋田教諭分限免職の判決にも見られるように、日本国憲法23条(学問の自由)、教育基本法第9条(教員)の精神をないがしろにし、あるいは無視していることである。さらにはユネスコ勧告など国際的にも承認されている研究・教育に関する普遍的価値観、研究と教育という使命と職責の重要性、それにもとづく研究者・教育者の身分保障を少しも顧みていないことである。また、過労死訴訟判決おいては、専門職性におけるその労働の量的過重性(労働時間)と質的過重性の特殊性に関する無知ないしは無理解ははなはだしい。
 私たちは、上記事態に鑑み、平和と民主主義、学問の自由、教育の自由、大学の自治、学術研究の総合的でつり合いのとれた発展、軍事研究および人々の生活に害ある研究の拒否、研究条件の確保と生活防衛、法治国家としての公正な裁判のために、研究者・教育者として人間らしく生きるための諸権利の擁護のために、諸団体・個人と連帯し、あらゆる機会をとらえて仲間をふやし、行動を強める決意を新たにするものである。」

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http://jsa-t.jp/jsa_tokyo/statment_index.html